愛しい者と 共に迎える者
友や仲間と 共に迎える者
新たなその日を 迎える者
独り その日を迎える者
迎える形は 違えども
生
その日も 彼は変わることなく
風向くままに 流れ続けた
また一つ 年を重ねて生きている
また一つ 未だ年を重ねる
鮮やかな記憶さえ 薄らいで
現は 花散る様の如し
あれはいつのことだろう
見上げた先は 遙か彼方
陽の温もりも 雨の冷たさも
きっと死ぬまで 宿り続ける
幼い頃に漠然と思った
「今」は 永遠に続くものだと
家族の笑みも 幼馴染みの笑い声も
きっと ずっと続くのだろうと
始まりと終わりを 繰り返し
別れと出会いを 繰り返し
幾度も 彼はその日を迎えた
今年は 川縁かもしれない
来年は 草原かもしれない
雪山か 海辺か 街中か
気紛れな旅には いつものことで
会おうと思えば いつでも会える
友の山にも 彼らの墓にも
新たな生を迎えた者にも
笠を 一振りするだけで
けれど
その日も 彼は流れ続ける
風音と 空の果てなさに包まれて
遠く 彼らに想いを馳せる
そう きっと彼らは
迎える形は 違えども
生まれ生きたことに 悔いはない
邂逅を懐かしみ
別離れ[わかれ]に立ち止まることはあれど
迎える形は 違えども
生きゆくことに 彼は躊躇わぬ
それが無為であろうとも
義務の重さを知ろうとも
彼は その日も流れ続ける
'05/05/21
誕生日おめでとう井宿。詩のイメージは、だいたい十数年先で。
「井宿、ハッピーバースデー♪」な話も考えてましたが、見事に挫折;
えぇもう固い内容なればこその私ですから!!!(自棄)
誕生日と言っても、彼は特別な行動をしそうな人じゃなさそうです。
いつもより少し芳純時代を思い出し、懐かしむことはあるでしょうが。
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