1/井宿誕生
待望の第一子 しかも男児となれば
喜びようも半端ではなく
「芳、という字はどうだろうか。
優れた人物になるようにと。」
勇んで彼らが訪れたのは とある著名な占師のもと
「李家は官吏の家柄ですから。
夫のように、素晴らしい官吏になって欲しいのです。」
抱かれた赤子を見やり されど占師は声を落とした
「儂は多くの赤子を見てきた。
幸あらんと、多くの名前を贈った。
この子は……波乱に満ちた、重き星を宿しておる。
煌々と輝き、されど流れし悲しみに彩られる星。
生涯大切に想う者と出会い、
また生涯に亘る辛苦を得よう…。」
このような吉事に 贈る言葉ではない
このような日なればこそ 告げねばならない
「……ならば。
ならば、准、という字を。
怒り、悲しみに囚われず、大切な者たちを守り通す子に。」
「芳准、……良い名じゃ。
しかし果たして、この子が受け止め乗り越えられるかは…。」
「心配ありません。」
そう、「李 芳准」
お前なら
お前なら きっと大丈夫
私たちはそう信じてる
'05/08/17
「芳」すぐれた、「准」ちかい・ゆるす、の意 (昇竜伝より)
「李」は治める、との意もあるそうです。治める→政治→官吏!
ぅわ、渡瀬先生さすが!!
BACK