水に還る その刹那
蘇るのは 幼き頃の……
15/「俺達は親友だ!」
決まり事 約束事であるように
幾度も彼らは口にした
ずっと 共に在り続けると
疑いもなく ただ無心に
ただ純粋に
その言葉の重さを知らぬまま
思いは届かず すれ違う
傷付き 命も失いて
止まぬ嵐を 共に抱えた
胸の奥底に沈めても
闇に心を委ねても
常に 雨音は途切れない
全ての罪は 己が咎
いくら友に責められようと
弁明するつもりもなかった
それでも
あの場で 友に向かい合えたのは
胸の片隅で思ったのだろう
命まで奪う奴ではない と
裏切られた悲しみは
怒りで 全て掻き消えた
澱みのような罪悪感は
怨みで 全て掻き消した
そうして年月を流した彼は
「……馬鹿な奴。」
笑みを浮かべて 天を仰ぐ
未だ 黒雲は在り続ける
未だ 青空は戻らない
けれど
切れ間より差す陽の一条[ひとすじ]は
雨の終わりを示すが如く
確かに 二人を照らし出す
友は 気付いているだろうか
かつて 幾度も交わしたその言葉
それが今何よりも
嬉しく 済まなく思うことを
謝罪の言葉は 届いたろうか
仮初めの躯[からだ]は消え失せた
太極で待つか 獄へ飛ぶか
その刹那に 続けた想いは
「…ありがとう。」
そして 願わくば青空の下
3人でまた
出会い
笑おう
'06,08,04,
当初「MIZU-KAGAMI」用に書き起こしていた代物…なんですよ;
最近ようやく飛皋の心情を思いやれるようになった気がする。
死んだ人間がふし遊でどうなってるか詳しい点ではわからないけど、
太極山で待つにしろ、そうでないにしろ、彼らはきっといつか巡り会う。
そんな確信がある。しかしアニメの関さんの演技は見事だったな本当♪
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